SSブログ

宮崎駿のアレンジ技術 となりのトトロ編 [映画]

スポンサーリンク



th (1).jpgまずは、この写真を見てほしい。


これは、ルイスキャロル原作、『不思議の国のアリス』に出てくる、チェシャネコである。
アリスといえば、だれもが知らないはずはない有名作であり、ディズニーの映画化も相まって、有名である。
最近は、ジョニーデップ主演の、『アリスインワンダーランド』という映画も作られた。
余談だが、この映画も続編ができるようである。

さて、本題は、宮崎駿原作『となりのトトロ』に、このチェシャネコが出てくることである。
その猫とは、言わずと知れた、猫バスだ。

猫バスの写真ははれないが、見た方は思い出してほしい。猫バスは、ほとんどいつも、にやにや笑っている。そして、映画の最後、にやにやを残して消えるわけである。

これは、チェシャネコそのものである。
チェシャネコはいつもにやにや笑い、そして、消える最後、にやにやだけを残して消えるのだ。
原作を読んだ方ならわかるだろうが、アリスはにやにやだけ残して消えてしまうチェシャネコを見て、
「にやにやだけのこすだなんて!」と、びっくり仰天の体である。

ここには、ルイスキャロルの遊びごころがある。
チェシャネコのもともとの由来は、英語で、チェシャーキャット(Cheshier cat)という表現が本当にあって、「わけもなくニヤニヤ笑う」という意味で使われているというところからきているのだが、ルイスキャロルは、そのことに注目して、にやにや笑いを強調しているのだ。
にやにやだけを残すだなんて、最近で言う、「ドーナツの穴だけ残して食べる)ようなものである。

さて、ぼくは、宮崎駿という人間に興味を持っていて、彼の仕事ぶり、発言、好きな本など、いろいろ調べた。
その結果、岩波少年文庫の100冊で、『ふしぎの国のアリス』が取り上げられているのに気づいた。
宮崎駿はアリスを読んでいることは間違いないだろう。つまり、宮崎駿は、「猫」と、「バス」と「チェシャネコ」を混ぜて、猫バスを作ったのである。


このように、チェシャネコと猫バスは、切っても切れない関係にある。
ところが、我々は、アリスをよく知っているくせに、猫バスをみても、「これはアリスから取ってきているのだ!」とは気づかない。僕自身、ずっとわからなかったし、まったくおかしな話だが、本当に、なかなか気づかないのだ。

なぜか。

ここからは個人の考察になるが、すなわち、猫バスには、バスという要素が非常に大きいからといえるだろう。
猫がバスに化けている! これはもう、びっくり仰天である。ほとんどだれも、考え付かない。
そしたら、もう、そのことが気になるのである。
あのおなかのなかはどうなってるのだろうか?乗れるのか?
そんなことばかり気になって、その猫が笑っていようが、消えようが、そんなことはあんまり気にならないのではあるまいか。
ちなみに、当時のバスの形はこんなだった。SS000016-1.jpg

あと、トトロも頻繁に笑っている。これも相まって、猫バスが笑うのは、自然なこととして受け止めてしまうのではないか。

このようにして、知ってか知らずか、宮崎駿は本当に巧みに「チェシャネコ」を「猫バス」に取り組むことに成功しているのである。つづく。


下の記事もよかったらのぞいて行ってね(^O^)
音楽(ピアノ)まとめ
http://op63op29pia30845.blog.so-net.ne.jp/2015-05-16

本まとめ
http://op63op29pia30845.blog.so-net.ne.jp/2015-05-16-1

文鳥まとめ
http://op63op29pia30845.blog.so-net.ne.jp/2015-07-08-1

絵まとめ
http://op63op29pia30845.blog.so-net.ne.jp/2015-07-08-2



nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 7




コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
スポンサーリンク



ブログを作る(無料) powered by SSブログ スポンサーリンク



この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。