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赤いスパゲッティ

あれは、蒸し暑い夏の夜のことだった。
僕は布団に入りながら、本を読んでいた。
その本というのが何とも怪奇趣味で、友達に呼び出された男が、スパゲッティを食べると
そのまま赤いカニに変身してしまうというものだった。
ホラーなのか、コメディーなのか・・・。

ガチャン!
急に、階段の下から何かが倒れるような音がした。
びっくりした僕は、部屋を出ると、階段をおりていった。
「なんだ?」

パチッ。
電気をつけてあたりを見渡すと、コップが倒れ割れていた。
でも、どうして・・・。
僕はガラスを片付ける始めた。
床のあちこちに散らばってしまっている。
「いたっ!」
床のガラスをいつの間にか踏みつけて、わずかに足から血が出た。

「ピロリローン」
急に、携帯が光った。
僕は、血をふくのも忘れて、携帯を見てみた。
「久しぶり! いますっごい料理ができたんだけど、食べにこない?」

まるおからのメールだった。まるお大学で時々会う友達で、今はお互い1人暮らしだ。
すっごい料理・・・なんだろう?

僕は急におなかがすいたような気がして、足の裏にバンドエイドを貼ると、
まるおのすむ賃貸に向かった。


「よお! まあはいれよ」
まるおは何やら得意気だ。部屋の中から、なんだかおいしそうな匂いが漂っている。
「何を作ったんだ?」
「へへへ、まあ、そこに座った座った」
僕は、むだにおしゃれな座布団にすわってまっていると、やがて料理が運ばれてきた。


赤い・・・スパゲッティ・・・。


「ほら、おいしそうだろ。さあ、食べようぜ」
「・・・。」
僕は、あの本のことを考えていた。友達に呼び出されて、スパゲッティをたべたら、
そのままカニになった男・・・。

「これ、なんのソース?」
「もちろんトマトだ」

(ふつうのトマトスパゲッティ・・・。そうだ。でも・・・。)

僕はどうにも食べる気にならなかった。
だが、まるおはさっさと皿に盛ってしまって、スパゲッティは目の前で湯気を立てている。

「ん? どうした、たべないのか?」
まるおは、はやくもスパゲッティをフォークでからめている。
ここは機転を利かせないと。嘘も方便だ。
「うん、そういえば、さっきスパゲッティを食べたんだ」
「え? ほんとに?」
「うん」
「それってカルボナーラだろ?」
「いや・・・。」
「カルボナーラ!!」
「え!?」
「ははは」
まるおは何がおかしいのか、パクッとスパゲッティを食べた。
僕はその様子をじっと見ていた。何も変化はない。当たり前か・・・。
僕はちょっとホッとした。

「カルボナーラ!!
 それにしても、すごいって何がすごいんだ?ふつうのスパゲッティじゃないか」
「すごいっていうのは、この味さ。トマトのほかに、パプリカも入ってる」
(・・・それの何がすごいんだ?)
ぼくはそういいたいのをぐっとこらえて、一口食べた。
「どうだ?」
「・・・うまいよ」
「ほらな!」

友人は得意そうだ。
ところが、その途端、友人の体が急に縮み始めた。
「え!?」





気づけば、テーブルの上には、二匹のエビが向かい合っていた。







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お久しぶりです。
皆さんお元気でしたでしょうか!?
暑い日が続きますね。
台風などにも気をつけてくださいね。

久しぶりに、お話を作ってみました。
即興話です笑
そんなにこわくありませんので、どうぞ!(?)(^_^)
感想などあればコメントにどうぞ。




ではでは!
いろいろまとめ(^O^)
音楽(ピアノ)まとめ♪♪(*´▽`*)
http://op63op29pia30845.blog.so-net.ne.jp/2015-05-16

本まとめ(・x・ ).o0○
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文鳥まとめ(^ω^*)))
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絵まとめ〆(.. )カリカリッ!!
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