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④『ピーター・パン』 ジェームズ・バリ著 [本]

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ピーターパン。名作である。
 
内容もさることながら、このラストは、稀にみる素晴らしさだった。
簡単にラストのあらすじを書きます。


ラストのあらすじ

ピーター・パンのいるネバーランドから、ウエンディたちが帰ってきて、元通りの生活に戻る。
ウエンディは、春、時々ネバーランドに行くが、とうとう大人になり、母親になる。
ピーターパンは子供のままだ。

 時が経ち、ピーターがまたやってきて、ウエンディをネバーランドにさそうが、ウエンディはいけない。ウエンディは大人になったのだ。ピーターとウエンディは泣く。(悲劇)


 だが、ウエンディの子供は違う。ウエンディの子供ジェインは、ピーターの話をたくさん聞き、ピーターを知っている。ジェインはピーターと一緒にネバーランドに行く。

 そして、もしジェインが大きくなっても、ジェインの子供のマーガレットが行くでしょう……と、筆者は語る。(喜劇)

このようにして物語は終わる。





いかがでしょうか。近頃にはない、稀に見るラストだと僕は思う。

 どこがかというと、つまり、悲劇と喜劇が混在している点である。ハッピーエンドではなく、かといってバッドエンドでもない。しかし、そのどちらでもないということではなく、どちらも含んでいるのである。これは、なかなかできない。
 このことによって、作品にうんと深みが増すように思われるし、やはりすぐれているといわざるを得ない。思えば、リンドグレーンの「長靴下のピッピ」三部作のラストも、そのようだった気がする。ぼくは、こういうラストはかなり好きである。


 あと、混在にしても、こういうかきかたもできる。つまり、先に子供たちがネバーランドへ行けることを書いた後で、ジェインもマーガレットも、みんな大人になってしまうことをかくというように、前後を入れ替えること。
こうするだけで、うんと悲劇的になる。


 このラストは、人間の人生そのもの、悲劇も喜劇も含んでいるが、どちらかというと「喜劇」に目を向けている点が作者バリの優しさだとおもうし、好感が持てる。

そして、どちらかというと、物事を前向きにとらえている。つまり、ピーターパンは子供のままであり、ウエンディの子供たちは大人になっていくが、どちらも永続性を獲得しているのである。
 とはいえ、ピッピのような、すこし悲しい終り方も、嫌いというわけではないのだが……。




いろいろまとめ(^O^)
音楽(ピアノ)まとめ
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