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②『赤毛のアン』 モンゴメリ著 [本]

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『赤毛のアン』の原作を読んだことがあるだろうか?

現在、村岡花子の朝ドラ「花子とアン」を見ている方も多いことと思う。僕自身は見ていないのだけど・・・それはともかく、アンについての話をしてみようと思う。

アンを読んだのは、一年ほど前だったろうか。花子とアンが始まる前だったと思う。
この本は、すごく人気になって、特に女性に人気が出たみたいだけど、男性の僕が読んでも、間違いなく面白い一冊となっている。

何が面白いのだろうか?それは、アンの生き生きしたようすが、本当によく伝わってくることなのだ・・・と思う。

面白い文章というか、面白い本には、共通した部分がある。
それは、生き生きしていて、生命力をもらえるという点だ。僕はそう感じている。

『長靴下のピッピ』しかり、『ハリーポッター』然り、みんな、登場人物が生き生きしている。
そして、日常を喜びに満ちて生活していこうと、工夫を凝らしているのだ。

アンは児童文学だが、児童文学には特に、この傾向がみられる。だから、大人が読んでいても面白い。


そして、もう一つの面白さの秘訣は、等身大の人間が描かれているということだ。

モンゴメリは多少脚色してはいるだろうが、本物の人間を書いている。
本当に子供をよく観察して(あるいは思い出して)物語を書いている…そう思うのだ。

これができる人は、けっこう少ないんではないだろうか。これができるというのは、子供のころの気持ちに立ち返ることができるという人間だからだ。

子供は、いらなくなったおもちゃを捨てるように、子供のころの気持ちを捨ててしまう。
昔はあんなにほしかったおもちゃが、一二年もすると、ただのガラクタのように思えてしまうものだ。

ところが、そのガラクタを、宝物のような気持で、大人になっても眺めることができる人がいる。
それが、ウォルトディズニーであり、多くの児童文学作家だ。

モンゴメリも、おそらく、子供の心を持っていたに違いない。だから、読む人も子供の気持ちに帰って、出来事をすんなり受け入れて読める。そういう感情表現の素晴らしさがこの本にはあると思うのだ。

それはもちろん、訳者の努力もあるに違いない。

アンシリーズは、これからまだまだ続いている。楽しみも、まだまだ続いていくのだ。




音楽(ピアノ)まとめ
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①『怪盗ルパン』 ルブラン著 [本]

怪盗ルパンをよんだ。ルパン三世で有名であるが、こちらの原作を読んだ方は少ないのではないだろうか?

そこで、この原作ルパンの簡単な紹介をやってみたいと思う。

まず、原作ルパンには、相棒といわれる人物は、めったに登場しない。ほとんどは、ルパン単体の行動である。
そして、ルパンは変装の達人であり、国籍不明、謎の人物である。

ルパンは、不正蓄財者から宝物をちょうだいする。その手際の鮮やかなことと言ったら、カメレオンも舌を巻くほどである。そして、ルパンは大衆の人気者である。






しかし、ルパンにも弱点がある。それは、自分が盗人であるために、それを引け目にかんじ、うまく恋愛ができないということだ。

ルパンは、自分の正体を隠すことはできるが、親密になるにしたがって明かしてしまったり、あるいは、警察にとらえられて正体があらわとなる。すると、悲恋になってしまうわけである。

もっとも、僕は読んだのは、第一作の『怪盗ルパン』(何作目か不明だが)『ルパンの告白』のみであるから、これからまだまだ面白い恋愛事情は明らかになっていくだろう。

作者ルブランは、このルパンに置いて、非常に独創的なトリックをいくつも使っていて、それは現在においても優れたトリックとして使用されているという。某モンキー何たら氏も、ルパンをお手本にしている話がいくつもあるが、そのどんでん返しの展開には、やはりカメレオンが舌を巻くのである!
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ルパンの魅力は、盗みの手際の良さ、トリック、人間ドラマ、また、ルパンそのものの魅力というう風に考えられるだろうが、この、ルパンの魅力というものについて考えてみたい。

まず、このルパンの魅力は、いったい誰なのか、皆目見当つかないということ、そして、変装、手品、盗みの達人であるということ、やり遂げると決めたことは必ずやり遂げるということなど。





ここでは、ルパンの魅力の、なぞの部分について考えてみたい。
ルパンのなぞとは、だいたい

ルパンとは何者なのか?
どういうところで生まれ、親は誰で、いつどこで盗みを覚えたのか?
どこに住んでいて、恋人はいるのか?その資産はどれほどのものなのか?
これまで、どのような事件に関わり、また解決してきたのか?

このような点である。
ところが、これはルパンに限った話ではない。
我々は、99.99999%の人間について、何も知らないのである。
その人はどこで生まれ、どういうふうにそだったか?
何をしているひとなのか?
結婚しているのか?
どこに住んでいるのか?

駅で出会う人のうちのだれも、どんなことも知らない。わかるのは、大体の年齢と、性別くらい。

そういう意味で、実は、なぞというのはありふれているのである。

作者の優れている点は、この謎を引き立たせ、読者をあおっていることだ。
読者は、何が何でもルパンのことについて知りたくなる。どういう人間なのか、ところどころに見え隠れさせることで、ルパンへの好奇心をあおるのである。

これが、ルパンがフランスにおいて、多大な人気を勝ち得た一つの理由であると思う。


タグ:ルパン なぞ
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